夢幻泡影な日々

内向的で偏屈でガノタな一般人、えすえふ。の生活や趣味や思うところを徒然なるままに書きとめる場所。

【ネタバレあり】実写映画「ヲタクに恋は難しい」感想

 ヲタク社会人の不器用ながらもキュンとする恋愛を描いたラブコメヲタクに恋は難しい」。私もTVアニメ版からハマって原作漫画も楽しませていただいている大人気の作品です。そのヲタ恋が高畑充希山崎賢人菜々緒斎藤工というそうそうたるキャストで実写映画となりました。

 漫画の実写化にはいろいろと地雷複雑な思いがありますが、数々の名実写化を果たしている福田雄一監督の作品とあって、映画館へ見に行ってきました。

 というわけで今回は、実写映画「ヲタクに恋は難しい」の感想記事です。

 

※この記事には映画のネタバレおよび感想、批判的な内容などが含まれますのでご注意ください。

 

 

前提として

 感想を書く前にまず前提として、私はTVアニメを通しで最後まで視聴済みであり、原作漫画を8巻まで読んだ原作ファンです。これから書く感想は、原作ファンからみた感想が主となっているものであり、原作にこだわらない場合また違った評価が可能かもしれないことを前もっておことわりさせていただきます。

 

評価点

高畑充希の演技力

 今作では主人公の成海を高畑充希さんが演じていらっしゃいます。さすがにアニメや原作のピンク髪ではありませんが、原作やアニメの雰囲気をとてもよく捉えています。

 外見のみならず、その所作、とくに表情と声は高畑充希さんのどことなくコミカルな印象とぴったりと合致して、「原作世界から成海どんが飛び出してきた!」といえるほどにクオリティが高いと思いました。

 

作中キャラクターの外見の再現度

 上で成海の再現度だけに絞って言及しましたが、主要キャラクターである成海・宏嵩・樺倉・小柳の外見のクオリティは高く感じました。どのキャラクターもそのまんまといった風貌で、違和感なくまとまっていたのではないでしょうか。

 とりわけ素晴らしいのは菜々緒さんが演じる小柳で、作中で刀剣男子*1のコスプレを披露するのですが「男装の麗人のようなイケメンレイヤー」という花ちゃんの特徴を良く再現出来ていて素晴らしいと感じます。花ちゃんリアル世界に降臨してっよ~!

 

恐らくかなりこだわれた「ヲタクらしさ」

 今作は、「ヲタク」がテーマゆえに、様々なヲタクグッズ・コスプレが目まぐるしく登場します。

 それも、「劇中劇風に置き換えられて」ではなく「原作そのまんまの形」で登場するので、にやりとできるシーンもあるかもしれません。ゲームにフィギュアにアクキー、抱き枕にキャラT、コスプレに同人誌などなどと「濃いヲタク感」が詰め込まれた小道具類は必見です。

 また、小道具だけではなく、随所にアニメやネット文化のオマージュが取り入れられており、作中キャラが盛り上がってきたときにはニコ動のコメント風にキャラのセリフと2ちゃん(現5ちゃん)顔文字が流れてきたり、EDが巧妙に音を外してそれらしく作った「残酷な天使のテーゼ風」であったり、コミケ94の会場を直撮りしたかのようなカットがあったりと「ヲタクらしさ」についてはかなり追求されていると感じました。

 

ヲタクに恋は難しい (8)

ヲタクに恋は難しい (8)

  • 作者:ふじた
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: コミック
 

 

 

以上が、私がこの映画を見て良いと感じた点です。これ以降は批判になるので、ご注意ください。

 

残念に思った点

 ここからは、この映画の残念だと思った点を挙げていきます。前もって言わせていただくとこの映画、原作ファンほどがっかりするのではないかと思うのです。というか、私はかなりがっかりしました。具体的にどういう点が残念に感じたのかを見ていきます。

ストーリー設定の大幅変更

 原作のヲタ恋は、成海が転職した会社で宏嵩に再開し即カップル成立し、同じ部署の小柳・樺倉と「隠れヲタ」という点で意気投合しヲタ活を進めるなかでヲタクなりの恋愛をしていくというラブコメです。いわゆる恋愛映画のお決まりである「山場*2」はとりたてて存在せず、どちらかと言えば「4人組で仕事・アフター5・休日にそれぞれヲタ活してたらちょっともにょる気持ちがあって実はヲタクあるあるな恋愛不器用で~」といった日常系のラブコメです。遊園地デートなど明確なイベントもありますが、日常を見守るタイプのラブコメである以上、映画にしにくい*3作品なのだと思います。

 そういった観点からなのか、本作では原作から大胆に設定改変が行われています。

 その最たるものが、「(樺倉・小柳)・(二藤・桃瀬)は別部署である」という点です。このうち、二藤と成海は比較的近い部署なのか、同じフロアで働いているものの、小柳・樺倉は二人そろっては劇中終盤までほとんど登場しません。(単体としても中盤以降であり、小柳に至ってはほぼストーリーに絡みません)

 この点は非常に残念と言わざるを得ません。4人組のラブコメディーというのが原作の良さであり、小柳・樺倉という先輩隠れヲタカップルの所作が成海・宏嵩ペアに影響を与え恋愛イベントに発展するという自然な流れが原作にすでにあるのにも関わらず、設定改変によって別の原因を用意せざるを得なくなっており原作の良さを損なっています。

 私は先輩カップルたちの痴話喧嘩を楽しみにしていたので今回の設定改変はとても残念に思いました。外見がわりとそのまんまなのにちょい役で今作で新たに登場する濃すぎるモブ以下の活躍しか描かれないのはかなりフラストレーションが溜まりましたね。

 また、原作改変が、成海と宏嵩のラブコメとしてみたときにきちんとした形で生かされるのかという点に注目してみていましたが、今作で行ったイベントは

 ・成海の部屋に宏嵩がくる(ヲタク禁止デート誘いのため NEW)

 ・ヲタク禁止デート(ショッピングに改変されていたが遊園地デートのくだり)

 ・コミケ(原作のくだり)

 ・宏嵩の部屋でゲーム→キス(原作のくだりから小柳・樺倉が削除)

 ・かみ合わない成海と宏嵩(原作に同様のくだりあり)

 ・宏嵩の有給休暇→ヲタ芸・ヲタ部屋化(NEW)

 ・樺倉の部屋で4人鉢合わせ(原作に似たくだりあり)

  と、ほとんどが原作シーンをぶっこ抜いてつなぎ合わせたくだりであり、正直言って改変する必要があったのだろうかという疑問は最後まで尽きませんでした。

ストーリー変更に伴うキャラクター設定のぶれ・改変

 前述のストーリー設定変更に伴ってキャラクターの内面が原作から大幅にぶれている(とくに男性陣)というのも残念な点の一つです。

 評価する点として成海がまるで原作から飛び出してきたかのようだと書きましたが、逆に言えば、それ以外のキャラクターは「外見だけそっくりな別の人」という印象がとても強く、原作好きからすれば残念に思わざるを得ません。

 まず、宏嵩ですが、山崎賢人さんの背格好や外見は非常に似ており好印象だったのですが、「冷たい態度の癖に成海に対してグイグイ来る肉食系」「ゲーム以外のヲタ領域に興味がないはずなのに声優アイドルヲタとヲタ芸を披露」「原作での有能さや成海への理解がまるでなくなり、一人で悩む側面が強調されてひとり空回り」と、かなり残念です。確かに原作でも「ゲーム以外興味なさそう」な「残念なイケメン」ですが、その実、成海については分かりすぎているくらい分かっており(そこまで理解していない樺倉が良い対比となって)「成海を大切に思っている」ということが表現されていたのに比べると、違和感がぬぐえません。*4

 しかし、宏嵩のブレはまだ、外見上カバーができているのでヲタ芸とかしないよ!」という点を除けば百歩譲ってまだ分かります。それに比べて樺倉のキャラのブレは本当にひどいです。

  樺倉は、「一見怖そうに見える(強面で口調が怖め)」ですが、それは責任感をもって仕事をする真面目な男だからであり、部下のこともきちんと気にかけ、彼女である小柳とは喧嘩ばかりだけどそれはツンデレ的な照れ隠しであり、本当は相手のことを思いやることができる優しい男です。

 ですが、本作での樺倉は、部長(佐藤二朗)に仕事を回された成海に対して最初からオラついた態度で「邪魔だけはすんじゃねーぞ!」と凄んだり、成海の自己紹介を半ば無視気味にあしらったりします。さらに、成海を謎のビルの屋上に連れ込み缶ビールで酔っぱらった挙句、急に「踊るぞ!」といってタップダンスをする始末。もう訳が分かりません。

 原作の樺倉は、小柳にコスプレをせがまれても恥ずかしくて断固として拒否したり、アニメイト入るにもスーツ姿じゃいやだと思ったりするような性格です。そもそも、缶ビールで酔いつぶれるような酒乱*5ではありません。そんな樺倉がいきなりタップダンス踊り始めて成海と社交ダンスで腰に手を回したりしちゃって(しかも無人のビルの屋上で)ご満悦とか理解に苦しみました。

 そして、ここが一番問題だと思いますが、樺倉が隠れヲタであるという描写が地味すぎて「樺倉がただのパワハラ面白タップダンスおじさん」になっているところは容認できません。居酒屋で打ち合わせをするシーンに登場したコスプレモブが成海の友人なのか詰問聞いて成海にはぐらかされたときに舌打ちをしたところに片鱗があるぐらいで、正直樺倉はもう樺倉としては見れないレベルのキャラ崩壊を起こしていると感じました。

 小柳については更にひどく、キャラ崩壊云々を言うほど映画に登場しません。登場しているシーンにしても、バーのマスター(ムロツヨシ)と宏嵩をからかって爆笑していたりと小柳のもつ「普段はしっかりした大人のお姉さん(なのに実はポンコツ)」という魅力の欠片も無く、「バーで酔って男(宏嵩)を誘惑して彼氏の家に連れ込んでコスプレさせてる変な人」という残念な感じとなっていました。外見がかなり似ており、さらにコスプレのクオリティも高かっただけに小柳のこの扱いのひどさはもう少しどうにかならなかったのかなと思います。

 

主張の強すぎるモブキャラクターたち

 前述のように、本作では原作から設定が改変されている都合上、原作で小柳・樺倉が担当していたセリフがモブキャラクターや新登場のキャラクターに割り当てられています。ですが、今作のモブキャラクターはどいつもこいつも揃いもそろって主張が強く、話の本筋が分かりづらく感じました。

 まず、佐藤二朗扮する部長(?)ですが、もう佐藤二朗そのまんまです。これはまぁ分かり切っていたところなんですが、そもそもこのキャラクター必要ですかね。私は佐藤二朗さん好きですけど、同じ福田監督作品の勇者ヨシヒコの仏などはまだストーリー上で突っ込まれたりと佐藤二朗の持ち味を生かしているのに対して、今作では誰からも突っ込まれる事も無くただ単に「喋り方が独特な上司のおじさん」でしかなく、メインキャラクターたちから言及も無いので完全にモブと変わりません。それなのにこの映画の最初は佐藤二朗さんのミニコーナーみたいな謎の会議と、なんか持て余している感がすごいです。

 また、バーのマスターであるムロツヨシさんも同様のことが言えます。こちらは小柳が行きつけ(ということに本作ではなっている)バーでミュージカル風に歌うシーンでの登場ですが、小柳と結託して宏嵩をからかいます。バーでの時間でしか登場しないうえ小柳と樺倉が対面するのはラストシーンの手前のみなので、実質小柳とマスターのほうが付き合っているんじゃないかとさえ思えるほどです。それほどまでに小柳の出番がないということですが、この原作に無いギャグシーン必要なんでしょうか。小柳を別部署と設定したため二藤との接点を作る必要があったんでしょうが、そもそもお酒の弱い小柳が一人でバーに通ってるというのも変な話*6ですし、重度のゲームヲタの宏嵩が「帰ってゲームする気になれなくて……」なんて言うのも不自然極まりないわけで。そんな不自然なセリフを言わせてまで接点を作る必要があるのなら設定をいじる必要なんてなかったのではと、理解に苦しみます。

 また、原作での同僚たちと樺倉のシーン担当として賀来賢人さんが起用された声優アイドルヲタク(内田真礼さんの追っかけファン)のキャラが設定されていますが、このキャラも変に濃い。「梶裕貴さん知らないの?しまった声優は範疇外かぁ」という成海のセリフに変に対応しようとした宏嵩にヲタ芸を仕込んで内田真礼(しかもご本人)のコンサートで披露させるなど、じつによく分からないオリジナル要素をぶちんできます。このキャラクターは成海・二藤の共通の知り合い(同部署の同僚)かつヲタク仲間みたいなポジションにしれっと入ってくるので、「ドラえもんのいつもの5人に交じって知らない子が旧知の仲のように突然現れた」みたいな変な違和感を感じました。

 このキャラクターたちは設定改変しなければ必要なかったわけで、私にはいまいち何がしたかったのか理解できませんでした。

 また、この三キャラクターだけが濃いかと言われれると、そうでもなく、コミケシーンの成海のヲタク友達(樺倉・小柳の代わり)も2ちゃん語でしゃべったりしてかなり濃いですし、突然居酒屋にコスプレイヤーの友達がいるなど、唐突な差し込みが多いように感じました。これらのモブキャラクターたちも、必要あるかどうか疑問ですが、まぁ上記の三人に比べれば、「成海のヲタ活が充実している(宏嵩とだけ付き合っているわけでは無い)」という描写に貢献しているため、まだ納得できました。

 ただ、「こんな不自然な形で濃いモブを大量に用意するのなら素直に4人組のイチャコラすればよかったんじゃないの」と思わせる場面が多々あったと私は感じました。

【賛否両論?】ミュージカル仕立てのメインストーリー

 本作は、最近のヒット映画にあやかってか、それとも日常系の原作エピソードに対して映画的なメリハリをつける意図なのか、ミュージカル風になっています。つまり、「急に歌うよ」ということです。

 この演出に関しては、ある程度ヒット作を作ろうとすると仕方ないのかなと理解できます。*7最近評価されている映画を見ればミュージカルの要素を持っている作品が多いですし、商売的な意図を抜きにして考えても、セリフを使わなくてもキャラクターの心情の変化などを派手で画面映えする形で表現できるので悪くはないか、とも思います。ダンスにも力が入っていましたし、バックダンサーが往年の人気アニメ・ゲームキャラのコスプレイヤーだったりと主題にそった力の入れ方もされていたので取り立てて不快とまでは思いませんでした。

 ただ、気になったのは、歌い始めるともはや「ヲタクに恋は難しい」ではないということです。キャラを演じながらの歌唱は難しく、どうしても俳優さん女優さんの色が押し出されます。結果として「ヲタ恋らしさ」のようなものが薄れてしまい唐突感だけが残る、というようなシーンも多かったです。また、バーのシーンなど歌がコミカルに用いられているシーンも多く、その様なシーンでは(コスプレが多いことも相まって)「ヲタクに恋は難しい」よりも「8時だョ!全員集合!」とか「志村けんの大丈夫だぁ」のようなコント番組でも見ているかのような気分になってしまいました。

 勿論、きちんとミュージカル風になっているシーンもあるにはありましたが。

 

原作に無い設定が追加されている

 今作では成海たちの会社は「ゴルフウェア等を手掛けているアパレルメーカー(もしくはゴルフ用品メーカー)なのか、それとも広告代理店なのか分かりませんが、具体的な業務として「ゴルフウェアの宣材画像を撮りにハワイに出張する」という業務が行われています。原作では事務仕事ばかりだったので、個人的にはすこし印象が違いましたが、これについては特に不満というわけではありません。

 ただし、「成海、樺倉たちとハワイに行く」で大きく恋愛映画に寄せてくるのかと思ったらハワイ行きは特に結末に絡むこと無く映画が終わった*8ので、肩透かし感はちょっとだけ感じてしまいました

 

尚ちゃんと光くんが全くでない

 これについては、まぁ仕方ないと割り切ってはいます。原作でも尚×光は進行中だし、3組でてくると一つの映画でまとめるには多少散らかりますので、これはまぁ仕方ないかなと……。ですが、尚ちゃんと光くんの姿どころか、いつもみんなでいるスタバっぽい喫茶店すら出てこないのは、寂しいなぁ……。

 

本作を原作抜きで考えて評価するとしたら

 本作を、「ヲタクに恋は難しい」の原作をすべて忘れて「ヲタクをとり上げた恋愛コメディー」としてみた場合、上記の不満点のほとんどは解消されると思います。

 ただし、その場合には他の問題点が浮上してきてしまいます。

イケメン俳優が登場する恋愛映画としてみた場合

 宏嵩の性格や作品全体のヲタク要素が「イケメン俳優を売りにした恋愛映画を求める層」に対して邪魔となる可能性が高い。もちろん、この辺りの趣味嗜好は人によるので一概には言えませんが、ステレオタイプの恋愛映画主人公像からはかけ離れており、恋愛アプローチもわかりにくいためあまり刺さらないのではと思います。また、成海を知ろうとしてアニヲタに走る・ヲタ芸に走るなど到底格好いいシーンでは無いのでヲタク要素がネックとなります。

 また、宏嵩だけではなく、小柳・樺倉が付き合っている必要性が物語上無くなってしまうため最後の引き合わせのシーンの意味が皆無となってしまいます。結果として「変だった」的な印象が強く残るだけの結果になるのではないでしょうか。

ヲタクを題材としたギャグコメディとしてみた場合

 ギャグセンスが一致している場合は笑って楽しめると思います。ただ単なるギャグコメディとしてみると、ミュージカル要素が長いうえにミュージカル部分は恋愛要素に絡んでいるので、歌の時間が退屈と感じるかもしれません。ネットスラングやヲタク用語が多用されるのでその部分の耐性も必要でしょう。ただし、上述の佐藤二朗に対するツッコミが無いなどシュールな場面が続き、特に派手なギャグや小話があるわけではないのでこの部分でも評価が分かれると思います。

ミュージカル映画としてみた場合

 ミュージカル映画としてみた場合においても、評価はあまり良くないかと思います。歌は上手なのですがキャラクターとして歌っているというよりは俳優さんが歌っているのだという印象のほうが強いです。また、日常のうえでの些細な出来事がベースになっている以上、取り立てて心を強く動かされる曲があるというわけでもありません。

 決して悪いとは思いませんが、やはりかなりコミカルよりなために、コント劇の印象がちらつくので、ミュージカルとしてみた場合にもスタンダードというよりは異色作・変化球作といった評価になると思います。

 

ヲタクに恋は難しい: 1 (comic POOL)

ヲタクに恋は難しい: 1 (comic POOL)

 

 

 

総評

 これはあくまでも個人的な評価でありますが、高畑充希さんをはじめとした俳優陣の熱演や各キャラクターの外見を近づけているなどの努力が見えること、ヲタク要素に力を入れていることを加味して考えて5点満点中1.5点だと評価します。

 宏嵩×成海の要素に絞ったところを納得するとしても、恋愛映画としてみると山場に欠け、コメディとしては滑り気味、ミュージカルとしてみても特段歌が心に響くわけでもないと、映画としてのコンセプトがぶれているような気がするのが個人的な低評価の大きな要因です。

 また、原作ファンとしてみると、原作の4人組を無かったことにしていること、小柳・樺倉が矮小化されもはや別人なこと、こうまでして行った原作改変がさして効果的に感じないことはかなり大きな減点要素です。この点は非常に大きいです。ある程度地雷だと警戒していたとはいえ、今回は福田監督作品であるから大丈夫かという期待も大きく、観終わった後の「好きな作品が踏み荒らされたかのような気持ち」は久しぶりでした。

 もちろん、これは一個人の感想にすぎません。個人的にはこの映画がヒットしてヲタ恋のアニメの2期が来て欲しいと思いますし、末永くヲタ恋が続いてほしいと感じています。

 ですが、樺倉×小柳ファンはこの映画を見る際は覚悟を決めてから見るべきだということだけは主張したいと思います。

 ここまで読んでいただいてありがとうございました!とりあえず、アニメで樺×花を見て癒されようと思います|出口| λ............トボトボ

#4 オトナの恋も難しい?

#4 オトナの恋も難しい?

  • 発売日: 2019/10/15
  • メディア: Prime Video
 

 

*1:自分は刀剣乱舞未履修故キャラクターまでは分からないのが無念(´・ω・`) 

*2:たとえば、最初はメイン彼氏はヒロインに興味を示さないか高圧的だが当て馬イベントや個人を意識させるイベントなど様々なイベントを経て最終的に自分が恋に落ちたことに気付く~だとか、愛する二人の前にはとてつもない障害が~とかそういう山場のこと。

*3:やはりTV放送のアニメが適しているように思います。2期、来てくれ~!!実写にするとしても孤独のグルメみたいなゆったり見れる形態のドラマ向きなのかなと思います。

*4:確かに原作でも成海の気持ちが分からなくなって悩むシーンはあります。が、樺倉・小柳ペアを観察したり遊園地デートをしたり、小柳に相談したりしてきちんと結論を出しています。一人で悩んだ挙句同僚のドルヲタと一緒に暴走特急のようにヲタ芸に手を出す姿はやはり違和感が強いです。

*5:むしろ酒乱は花ちゃんなんだよなぁ……。この映画でも絡み酒とか言われてたけど歌ってたのでそんな風には全然見えませんでしたし、花ちゃんの酔い方ってもっと可愛いダルルォォ( ゚Д゚) 

*6:原作では居酒屋のビール数杯で酔っぱらって樺倉に「ほどほどで止めろ」と介抱されるほど下戸で酒乱です。わざわざ一人で強い酒を飲みにバーで浸るとも思えないですし、マスターに愚痴をこぼしに行っていたと考えても、原作での小柳の相談役は成海と樺倉なのでやっぱり改変がおかしいのではと思います。

*7:少なくとも変なモブを多用して原作キャラを変に改変するよりはよっぽど理解できます

*8:確かに樺倉と成海が一緒に撮影して宏嵩がジェラシーを感じる的なシーンが有るには有りますが、その後がヲタ芸&アニヲタ化であり、その解決も樺倉宅で4人集合という回収になっていない回収だったので、シーンとしては唐突感が否めません。