夢幻泡影な日々

内向的で偏屈でガノタな一般人、えすえふ。の生活や趣味や思うところを徒然なるままに書きとめる場所。

【ネタバレあり】新サクラ大戦キャラクター感想(世界華撃団&敵キャラ編)

 新サクラ大戦感想記事もはや4記事目となりました。

 語り足りないと感じていることは残すところキャラクター感想のつづき・メカ描写・楽曲の要素についてなので、あと2、3記事で収まってくれると思います。

 といっても、年末の大掃除*1とか新サクラのトロフィー埋めとかコミック版とかいろいろと並行しているので、語りたいことが増えるかもしれませんが……。

 ま、その時はその時です。ネタが無いよりゃ欠くことがあるほがイイですしね。

 というわけで今回はキャラクター感想(続き)です。

※本記事は、新サクラ大戦についてのネタバレを多分に含みます。未プレイの方は十分ご注意ください。

 ネタバレなしの大まかな感想は

aussergewohnlich.hatenablog.com

 こちらに。

 

 また、この記事以前のネタバレありの感想は

aussergewohnlich.hatenablog.com

aussergewohnlich.hatenablog.com

 こちらになりますので、もしよろしければお付き合いお願いします。

 

 

 ネタバレ配慮空白スタートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ配慮空白ここまでです。

上海華撃団・五神龍

 劇中で序盤のライバルとなる上海組。ウーシェンロンは「花組」くらいの意味合いなのか、それとも選抜メンバーということなんでしょうか。各華撃団にあるので愛称ということなんでしょうね。前記事でもさんざん言及しましたが、描写が不足しているのか、率先して帝劇を潰そうとする上海戦前までとその後において印象が違うのが残念なポイント。4月のアニメ版で「潰そうとした理由」の補填求む!悪い子や無いねん!

ヤン・シャオロン

 「炎の召使い飯使い*2」こと上海華撃団の隊長さん。

 序盤の「いかにも見下してます!」ってかんじと降魔災害中の三式光武(さくら機)への攻撃から、割とヘイトを集めちゃってそうなヤン隊長。私も上海戦直後くらいまでは「なんだ(゚Д゚)ゴルァ!!」的な印象でした。どうしても描写が足りない……。

 それでも、上海戦後は神龍軒で絶品中華料理を提供しながら街の平和を願い独自に慈善活動をしていたりと、「悪いやつ」では無いんですよね。後半エピソードでは人当たりの良い中華料理屋のあんちゃんって感じに印象が変わっていきました。何というか、熱血でエネルギーがあるがゆえに攻撃的なだけで、実際いろんなことに悪気があるわけじゃないみたいな感じの性格。まだ若い隊長って感じです。

 強さからくる驕りと暴走する正義感について、今回の敗北や様々なイベントによって経験をためていけば「大神隊長とは違う隊長像」をもった良いキャラクターになりそうな感じがするんですよね。デザインや性格を加味してみると、「ステレオタイプな中華主人公」として成立していると感じられるのでぜひとも単品作品が見たいところ(一回目)。

ホワン・ユイ

 ステレオタイプな中華ヒロイン。天真爛漫系好戦的中華ガールの化身。神山くんとの出会いもろもろが最悪すぎて少女漫画のファーストコンタクトみたいになっているのが面白いところ。主人公捕まえて「変態だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ですからね。*3

 この子も、やはり上海組の問題点が当てはまり、冒頭さんざん挑発的に煽るのでヘイトが集まりそうな気がします。

 ただ、さくらのガッツを見て「さくらは有能だから上海においでよ!」と語るなど、あの時点での帝劇の状況をきちんと見てはいるんですよね。帝劇がダメになっているのは最初から腑抜けてしまっているからだと認識していて、だからこそ上海は負けないんだ!という感じなのだと思います。 

 上海の勝利を信じて疑っていないがゆえに敗北時に涙をこぼすのは、なかなか可哀そうな気持ちになりましたがそれだけ上海華撃団を愛しているというのが現れていて良いと思いました。

 キャラクター的にはシャオロンの前だときっと天真爛漫陽気で素直なメインヒロインなんだろうけど、変態認定している神山くんに対してはあたりがきつめで銀魂の神楽みたいに若干冷ややかな目で見ている感じがしますね*4……。幼い春麗みたいでほんと可愛いです。

 一週目で好感度上げきれなかった人物のひとり*5。なので、高好感度ルートで可愛いところ見れたら印象が変わるかもしれないです。

 

倫敦華撃団・円卓の騎士

 アーサー王伝説をモチーフにして各隊員もそれになぞらえたコードネームで呼び合っているイギリス代表。キングスマンかな

 上海のメンツが「元気!と熱気!」って感じならば倫敦の彼らは「優雅な気品と騎士の剣」といった感じで個人的にお気に入りだったりします。*6また、歌劇団の公演としてバンドを組んでいるというのはやっぱりイギリスがビートルズとか世界的バンド文化の都だからなんでしょうか。

 倫敦は、騎士にスパイに錬金術に魔術にと様々なモチーフとの親和性が高い霧の都なのでぜひとも単体での活躍が見てみたいですね!(二回目)

アーサー

 前情報との印象が大きく違った人

 前情報では「頭が高いんだよッ!」というシーンが印象的でした。きっと初期グリシーヌみたいな人なんだろうなぁと思っていたら、そのシーンは直接対決時の感情が昂ったときにとっさに現れたセリフで、普段はいい意味で貴族らしい立ち居振る舞いなので心底驚きましたえ、正統派王子様やん(トゥンクってなりました。

 王子的なルックに柔らかく丁寧な物腰、しかしながら「アーサー」を任された誇りと騎士の栄誉からくる絶対的自信が時折見える「貴族らしい」キャラですね。

 貴族らしいとはいっても、神山くんやシャオロンと同じで「民を魔の手から守り戦う」ことに重点を置いている感じがして「華撃団の隊長としての器」は確かにあると思えるキャラです。

 「尊大で攻撃的な性格」も「下賤の者がッ!」というよりは「相手の力を見極め、能力を認め、それでも自分はさらにその上を行くのだ!」といった文脈だとわかる描写がされていたため「私に跪け!神よ!」的な感じ*7はあんまりしませんでしたね。

 むしろ、後半神山くんとちょっと仲良くなってミカサの前に出て守ってくれるあたり、すっごい人格者なんだろうなという印象のほうが強いです。

 バンドでの立ち位置が気になるところですね。ファンも居たし、きっと公演に出てるんでしょうし。

ランスロット

 黒騎士バーサーカー心から戦いを楽しむという夜兎族かなにか?とおもえる二刀流剣士。ホテルでいきなり剣を抜いたあたり折り紙付きのバーサーカーですね……。

 プレジデントGがいろいろとおかしなルール変更をしていても意に介さず「さくらとの闘い」を熱望し「早く闘おうよ!」と目を輝かせていう姿が、紐育のリカが新次郎と出会わずにそのまま成長したらこんな感じかなぁという印象を受けました。

 神山くんに対しては序盤は「さくらについてくる人」くらいの印象しか持っておらず倫敦戦後にはじめて「実力を見誤っていたよ、次は勝つ!」と意気揚々。

 もし倫敦華撃団の個別作品が作られたら、ランスロットの名を冠していることから華撃団を揺るがす大事件を起こしそうな、そんな危うさすら感じるバトルマニアっぷりでした。*8

 ただ、バトルマニアな一面が収まっているとき(ジル・ド・レでケーキを食べているときとか)は年相応の女の子、って感じがしてギャップが可愛いなと思いました。*9

 倫敦組の物語をもし描くなら、ランスロットがどうしてバトルマニアになったのかという背景とどうしてランスロットの名を受け継いだのかなどをメインストーリーの骨組みにした物語なのかなぁと妄想してみたり。そう思うほどに「天真爛漫なのに意外と裏が見えない感じ」がするキャラクターだと思いました。

 

伯林華撃団・シュバルツシュテルン

 サクラファンが心底待ち望んだ伯林華撃団です。

 シュバルツ・シュテルン(Schwarzer Stern)は黒い星*10ということで転じて鉄の星ですね。実にそれっぽい感じで最高です。

 しかし、伯林華撃団ということで……。あぁ!あのコラ画像*11が出回ったときどれほど血湧き肉躍ったか!*12伯林は「欧州星組*13がらみを描くことができる舞台なので単品作品を是非。是非!(三回目)

エリス

 事前情報と印象が違った人その二。事前情報では「軍人的であり冷酷・鉄血というイメージだったんですが、プレイしてみると意外に柔らかい表情を見せるシーンがあったり冷静な判断のできる「わりと人間味を感じる軍人さん」といったキャラクターでした。

 歌舞伎座で芝居に感動して江戸っ子になりたがったり、銀六百貨店横広場で訓を述べるときも人の迷惑にならないボリュームを心得ていたり、みかづきで和菓子に心ときめかせていたりとわりと可愛い部分もあって魅力的な人間性を持った人なのだと分かります。

 戦闘中は冷静沈着かつ大胆な動きをとるといった感じで、マルガレーテとの掛け合いはストライクウィッチーズ版のルーデル*14とアーデルハイトの掛け合いのような雰囲気でした。

 夜叉風味な仮面をつけられて操られた際も、帝国華撃団との闘いの後フェードアウトせずに諦めずマルガレーテを鼓舞し目の前の降魔との闘いにそのまま参加するシーンはロボットものの王道シーンでかなりエモい!

 

 彼女は華撃団の中では(前例があるとはいえ)珍しい女性隊長ですが、「鉄の星」を歌っていたことから見るに、公演もしているんでしょうかね。女性隊長×女性隊員のドラマというのも非常に興味があるのでぜひとも単体作品を!(四回目。そろそろしつこい)伯林華撃団メインのゲームが出たら百合系サクラ大戦か、フム……。

マルガレーテ

 冷静沈着な分析タイプで信頼していない相手に対しては容赦のない毒舌を浴びせかける系娘。ニッチなところだけど確実に一派閥持ちそう*15な濃いキャラが来たぜ……!ありがとうございますッ!

 今までのサクラ大戦にはあんまりいなかったタイプのように感じます。感情を表さないという点で近いのは心を開く前のレニとか昴かなぁ。容赦のない言葉という点では織姫とかもそうなんですが、どっちかというと冷酷に言い放つような感じなんですよね。

 しかし、容姿と声が幼い感じの声なので、そこまで嫌味には感じない。まるで人見知りな親戚の子供という感じがします。

 案外経験が豊富で手玉に取ってくる大人の人がからかったら可愛く懐いてくれそうな雰囲気があります。エリスに懐いてるような感じだったし。神山くんとは伯林華撃団が優勝記録ホルダーで格上だったからか*16あんまり可愛い絡みが無かったのがちょっと残念です。が、みかづきでエリスと一緒でご満悦な時に後ろからちょっかいをかけられて膨れるマルガレーテは可愛らしかったですね。むくれる姪っ子をからかいたくなる親戚のおじさんの心持というか。

 戦闘ではエリスとの息の合ったコンビネーションを見せたのと、「この程度の状況、我ら伯林華撃団は200回は潜り抜けている!行け!」「……ふふ、私たちでも4回ほどしか遭遇していないパターンです。」「4回はいずれ200回につながる、数など些末な問題だ。要は勝てばいい!」ってあのシーンはめちゃくちゃ格好良かった(二回目)。

手練れの余裕*17を感じましたね。

 

上級降魔

 降魔の中でも「知能を持つ」「魔幻空間の展開ができる」という特殊な降魔。降魔といえばグロテスクなあの感じがメインといった形だったので、知能を持った降魔というのは世界観が広がりますね。

 降魔まわりの設定について以前は「帝都東京は清濁のエネルギーを集める。降魔は帝都の負の側面である。」「かつて帝都の前に存在していた大和の民を封印したがゆえに怨念の塊が降魔となった。天海僧正の行った六破星降魔陣によって降魔は帝都によみがえった」などと説明されていました。降魔は帝都東京に限った負の側面であり、3(巴里)ではパリシィ、5(紐育)では織田信長を筆頭とした「魔」と戦っていました。*18

 それが、二都作戦が行われた降魔大戦なる災厄によって世界規模で広まったのか、各地由来の魔も降魔と呼称されるようになったのかは定かではないですが、何はともあれ降魔に対する認識は世界規模のものとなっているようですね。

 このあたりの掘り下げが少し明かされて欲しいと思う反面、これまでのサクラ大戦では「敵は正体不明」「少しずつ明らかになるものの最後までスッキリ解明とはいかない部分が魔の者にはある」といったリアルさがあったのも事実なので明かし方が難しい感じがしますね。

 

 破壊を楽しむタイプの上級降魔。背高で兎みたいなパーカーにギザ歯と実に分かりやすい「怪(しい)人」ですね。

 性格としては黒之巣会の刹那とかに近いですがそれをより幼くして駄々っ子にしたみたいなキャラですね。幼いころにある残虐性や破壊衝動を象徴するかのような性格で戯れに虫でも潰すかのように力をふるう姿が印象的ですね。「快感」「全能感」で力をふるうタイプの上級降魔とでもいえましょうか。

 個人的に印象的なのはあざみ回での活躍。わりと狡猾に隊員を分断→いたぶる→隊長を嘲り精神攻撃(+あざみを勧誘)とサクラ大戦中ボステンプレートのようなコンボを決めたところ、(プレGの横槍を突破した件で)精神的に成長したあざみにあっさりと誘いを断られ、駄々っ子のように暴走するも団結した帝国華撃団に撃破されるという「特撮もの幹部の序盤~中盤戦」でいえば100点のやられ方で個人的には満足。

 あとくされ無い敵ってヒーロー作劇の文脈を持つ作品にとって重要なんですよね。正義側であることをきちんと示しつつ、勧善懲悪のからっとスッキリした後味が出るので。序盤では重宝するキャラですね。

 あと、朧で重要なのはその最期が謎のオムライス剣士にやられているという点。「仲間だと思っていた人物」にとどめを刺されるというのも序盤ボスらしい退場の仕方で本当に序盤ボスの鏡みたいなやつだったなぁと。伏線をきちんと残して退場してくれて……!健気な……(ホロリ

 

夜叉

 物語の中核をなす非常に大きな謎の敵。

 最初から丁寧に真宮寺さくらではないか」というネタ振りが(ゲーム内外で)行われ、その謎がメインストーリーの中核となっているといえる大ボス。個人的には幻庵葬徹よりも正直ラスボスの器かなと思うところがあります。*19

 

 その正体は幻庵葬徹が「真宮寺さくらの髪(ポニーテール部分?)を依り代に生み出した傀儡降魔人形」でいいのかな?

 正直、結構終盤まで「真宮寺さくらが操られている姿」だと思ってました。

 ・キャラクターデザインがポニーテールに(ブーツ一体型ではあるが)ハイヒール

 ・(闇落ちした父と同じ)仮面

 ・CV.横山智佐

 ・真宮寺家の闇落ち前科鬼王(真宮寺一馬)という前例*20の存在

 ・大帝国劇場をみて「ふふ、懐かしい」

 ・極めつけの桜花放神

 かなり丁寧にミスリードを誘う要素がありましたよね。

 一方で、

 ・舞台を破壊する

 ・破壊活動や人間の苦しむさまに悦楽を感じている様子がある

 ・アナスタシアを捨て駒にするなど冷徹な面がある

 ・アナスタシアを切りつけ倒れこむ様子を見て高笑い

 などさくららしからぬ要素もしっかりとあり、終盤アナスタシアを切り捨てたシーンでさくらじゃないな、と気付きました。遅っ!

 桜花放神*21が最後まで引っかかって判断が遅れちゃいましたね。

 「天宮さくらが真宮寺さくらを超える物語」を「これまでのファンを裏切らない形で描く」にはこうでもしないと後味悪くなってしまうので夜叉の「偽物なんだけど完全に他人とも言えないね」くらいの立ち位置はベストだと思います。(真宮寺さくらとともに)第一関門を超え、「天宮さくら(と太正29年の花組)が本物の華撃団になる物語」が良く描けていました。

 夜叉として印象的な点は、やっぱりその芝居がかったセリフ回しですね。ドSなお姉さんって感じで、声は確かにさくらなのに、全然さくらっぽくないんですよね。このあたり横山智佐さんの演技力を感じます。登場シーンのすべてでとにかく余裕があり、どんな残虐なことをしている状況でもそれを楽しんでいる点がさくらと真逆になってるんですよね。*22落ち着いているところが「大スタァとして成長した姿」なのか「全くの別人の象徴」なのか決断できずに答え合わせまで行ってしまいました(-_-;)。

 作品のメインテーマに絡んでいる関係上、夜叉のキャラクターインパクトはかなり大きく、個人的に幻庵葬徹が霞んでしまうほど大きいものでした。

 

プレジデントG

 WOLFの総統であり、「いろんな動きが怪しすぎてもうなんだか逆に怪しくない黒幕」

 露骨に帝国華撃団を潰したがったり、大戦中に好き放題ルール変更したり、降魔が帝都の街中に出てるというのに「負けた華撃団は解散ッ!一番強いのがWOLF華撃団ね!」という支離滅裂なことを言い出したりと完全に黒幕全開でしたね。

 このころは「意味深に笑って見せる」「無能ミスターIを放ってご満悦」「決勝戦で不戦勝になって超嬉しそう」など動きが面白いですね。最初っから最後まで「ラスボスアピール」を随所でしているんですが、もう見え見えすぎて「……逆にブラフなんじゃないか。もしかして、サクラ大戦活動写真の田沼晴義みたいにラスボスにへいこらゴマをすって甘い汁を吸ってるだけの傀儡人形になってる欲深い人間どまりなんじゃないか?」と疑ってしまいました。そんなことはなかったZE☆

 プレジデントGを振り返ってみると、

 ・いくら強権を持っているとはいえ政策が無能すぎる(とくに各所で降魔災害が起きている様子なのに戦力を分散させず集中させようとする)

 ・言動も(少なくともこまちやすみれからは)嫌味で変な奴と登場人物にも認識されている

 ・夜叉を動かすことによって帝劇が決勝戦に出ないように工作している自信からか決勝戦では帝劇の入場時間待ち→違反失格まで律儀に行う

 ・そこまでして「世界華撃団大戦」のていを保ったのに伯林華撃団の勝利が決まったとたんに「うっそぴょ~ん」と幻庵葬徹であることのネタばらし。(なぜ世界華撃団大戦にちょっとこだわっている?ww)

 と自分の野望をかなえるための動きをほとんど夜叉が行っている関係からか、行動がすごくマヌケな感じに映ってしまうのは、一週回ってこのプレジデントGの良いところなのではないかと思います。

 個人的にプレGで一番ツボに入ったところは「世界華撃団大戦開幕時に夜叉がWOLF空中戦艦を攻撃した際に(全部知ってるくせに)砲弾が自戦艦を掠めてヒェッってなってるシーン」ですね。

 基本的にマヌケで変な愛嬌がある点が魅力的なキャラクターだと思います。

 

幻庵葬徹

 さて、そんなマヌケなプレジデントGの正体であり新サクラ大戦のラスボスが、幻庵葬徹です。これまでの記事で少し語っていますが、個人的に幻庵葬徹のキャラクターが薄いと感じました。

 まず、幻庵葬徹は降魔大戦時に何らかの方法で帝都に渡来した上級降魔ということで良いのでしょうかね。そしてその目的は「幻都の復活・および降魔皇の復活」というところです。この点は(破壊を純粋に楽しんでいた朧とはちがうものの)降魔共通の悲願という具合でしょうか。

 彼自身の特殊能力は夜叉を作り出したことや伯林華撃団の意識を乗っ取ったことから「傀儡化」であると思われます。WOLFの設立にあたってプレジデントの地位に潜り込むことアナスタシアをスパイとして育てるなど随所で手間のかかる回りくどいやり方を好む当たり、「策士」タイプなのでしょう。

 ここまで書くと、きちんとしたラスボスにふさわしい風格があるような感じなのですが、個人的に「降魔皇なる存在の腰ぎんちゃく」という印象が強いです。

 夜叉戦でさくらがらみのメインストーリーに片が付き、仲間が倒れたところで(真宮寺さくらによる)奇跡が起き最高に盛り上がってきた局面で、幻庵葬徹は「降魔皇さまが~」「ええい、降魔皇さまの力などなくとも我ひとりで!」といった感じの弱気な様子。やはりちょっとスネ夫を感じてしまいます。

 そして極めつけの「アナスタシアルートのアナスタシア強すぎ問題」です。これはシステム面でさんざん語ったのですが今作はアナスタシアがめちゃんこ強いので、ラスボスの巨大幻庵葬徹戦で「適切な距離を保ち弱攻撃連射(ときおり強攻撃をまぜる)→ゲージ溜まったら必殺攻撃」の繰り返しで、まるで今までの憂さを晴らすかのようにそれはもうゴリゴリとみるみるゲージが削れていき瞬く間に幻庵葬徹はダウンします。

 (これは、ラスボス戦にしてはあっさりしてるな、これは以前の「私は葵叉丹ではない!悪魔皇サタンだ!(ババァーン」的な展開来るな……。え、勝利のポーズ、え?おわり……?)ってなりました。

 お前ッ!プレジデントG時代にあんなに露骨な悪役ムーブしてたからもっと大物かと思ってたら……!小悪党なのかよォォォォォォ!!!!

 この件は、やはりちょっと残念ですね。しかしながら、これらを踏まえて未消化伏線の存在を加味して考えると、「実は幻庵葬徹はサクラ大戦天海僧正ポジションなのでは?」とも考えられます。

 ・世界の命運を握るわりに、妙にコミカルでマヌケ

 ・幻庵葬徹と天海ともに「僧」のモチーフがデザインにある(前掛けとか数珠っぽいアクセサリー)

 ・劇中で起こした行動が後の騒動のきっかけとなる(こちらは天海はそうですが幻庵は果たしてどうなるか……?)

 と考えてみると、幻庵葬徹は実はラスボスというよりも「新サクラ大戦2」の布石として用意された逝ける生けるクリフハンガーだったのではと解釈することができるのではないでしょうか。*23そう考えると、(やはりどうしても幻庵葬徹になってからもう少し悪逆非道なことをしていてほしかったものの、)意外に重要なキャラクター*24であると思えます。サクラ大戦2につながるのならばこの劇中での扱いも全然許せるものです。というわけで絶対に続いてくださいね!!?

 個人的に幻庵葬徹で印象に残ったのは、作中というよりは世界こいこい大戦でのAIの動き方ですね。プレジデントG時代からそう思っていましたが、すっごいみみっちい上がり方するんですよ幻庵葬徹!

 基本的に真剣勝負級で遊んでいたのですが、1文役で安く上がるのを繰り返す挙句、手が出せそうな時だけ雨四光+カス札とかでこちらの文に調節して上がったりするんですよ……!地味~にこういうところにも本編のラスボスっぽくない振る舞いが出ていてちょっと笑いました。

 

まとめ

 以上、最後幻庵葬徹についてちょっと辛辣になってしまいましたが、今回で新サクラ大戦のキャラクター感想は終わりです。やっぱり1万字超えちゃいましたね。

 幻庵にすこし思うところはあるものの(しつこい)おおむねどのキャラクターも愛すべき点があってキャラクター立ちに関しては結構優秀なのではと思います。

 これで、残りは「メカ・楽曲」についてですね。本当に語りたいことが湧いて出てくる作品です。

 こちらも、近日中に書いてアップしたいと思います。

 それでは、メカ・楽曲編もよろしくお願いします!さいえんすふぃくしょん。でした。

*1:この記事が年明けまでに間に合っていないのマルバレですねwww

*2:飯使い、そんな言葉はないww

*3:もっとも神山くんはこの後覗きもろもろ助平の罪を重ねまくるので評価はたいして間違っちゃないが。

*4:冒頭では勘違いですがその後の神山くんの行動を考えると……そりゃそうだ。

*5:鉄幹とユイとマルガレーテは好感度上げきれなくて階段に出ませんでした。無念。

*6:アーサー王伝説って厨二病心くすぐるんですよね~

*7:こっちの人のこういう尊大なところも実は大好きなんですけどね(OriginガンダムHG化めでたい!一年戦争編はよ!はよ!)

*8:私はfate詳しくないんですが、「大丈夫、FGOの子じゃない!?英霊にいない?」って心配になるくらい「ランスロットして」ますよね。この子。

*9:もっともジル・ド・レで片っ端からケーキ頼みそうになってたけど。

*10:検索するとフランクフルトにある一流レストランが出てきました。コラボは……無理だよなぁ~。

*11:サクラ大戦6 コラ画像で検索するとまだかろうじて出てくるかな。

*12:サクラ大戦のナンバリングタイトルが止まっていたころ、「wii サクラ大戦6」というコラ画像が出回ったことがありました。ストライクウィッチーズバルクホルンお姉ちゃんを巴里華撃団の戦闘服に着替えさせたようなイラストで、また舞台が作中で「欧州大戦・欧州星組」というほの暗い過去を持つドイツ・伯林ということでボルテージが上がったころにコラと判明しファンを大いに落胆させましたね……。

*13:紐育の副司令ラチェットを隊長に、レニと織姫と昴ほか一名が所属していた実験部隊。正義の味方!というよりは、軍事力向上のために霊力のある子どもを「兵器化(厳密には「霊子甲冑のパイロットという部品」くらいのニュアンス)」する非人道的な実験が行われていたという設定がある。レニが当初ああいう性格だったのはその影響。

*14:皆さんご存じリアルチートことハンス・ウルリッヒ・ルーデル閣下をストライクウィッチーズ世界観で描いたキャラクター。牛乳と急降下爆撃とネウロイ殲滅が生きがい。市民のために奴らを殲滅してやらんとな!とか言って怪我してるのに意気揚々と出撃したりしちゃう。

*15:最近はあんまり聞かなくなりましたね、釘宮病。私はゼロ魔が直撃だったので……。

*16:神山くんは身内にはわりと悪戯っぽい表情を見せることがあるんですが対外的には礼儀正しい男なのです。まぁその割にシャオロンにはため口だけど。

*17:ただ、15歳と18歳の少女がそこまで手練れになるということは、ドイツではやはり(幾分人道に配慮している可能性もあるが)欧州大戦や星組のデータがフィードバックされているということですよね……。このあたりが推察出来て非常に気になるところ。少女を兵器としてみる軍令部に米田司令官みたいな思想を持つ将官が異議を唱え、横槍を入れられつつ華撃団として成熟していく伯林の話とかめっちゃ見たい。

*18:もっとも、パリシィも魔も「かつての民が怨念とともに変質し負の側面として敵となる」という点で降魔と類似しています。

*19:白状すれば、初代でもサタンよりも山崎少佐時代のほうが印象に残っているし京極さんより鬼王(親父)のほうが印象深かったりします。個人的な印象ですが。

*20:サクラ大戦2の印象的な敵・鬼王は、さくらの父真宮寺一馬が反魂の術で蘇ったもの。流しの着物に般若の面のような仮面をつけた姿であり、かなりの強敵。

*21:桜花放神は破邪の血をもつ真宮寺一族しか使えないので真宮寺家の人間以外が簡単にコピーできない「真宮寺家を象徴する技」

*22:真宮寺さくらはどちらかというとドジっ子で、ちょっと嫉妬深くて、ひたむきで、余裕がない中懸命に成長していくキャラクターでした。

*23:もちろんこれはさいえんすふぃくしょん。の勝手な妄想あることを明示的にお断りしておきます。

*24:ラスボス捕まえてこの言い草である。