夢幻泡影な日々

内向的で偏屈でガノタな一般人、えすえふ。の生活や趣味や思うところを徒然なるままに書きとめる場所。

【ネタバレあり版】新サクラ大戦感想(シナリオ・システム編)

(╬゚д゚)フーーーーーーーーーーン!!!!<前回のネタバレなし記事では語り足りないんじゃぁぁぁ!!!

ということで本記事では話ごとの感想やキャラクターの印象、不満に思った点や素晴らしいと思った点、要望などを長々と書き連ねていこうと思います。

 

※ 本記事は、サクラ大戦ネタバレあり感想記事です。

 ストーリーの根幹にかかわるネタバレやキャラクターについての詳細な記述がありますのでご注意ください。事故防止のために(続きを読む)の後にしばらくスペースを取りますm(__)m

aussergewohnlich.hatenablog.com

 

キャラクター感想(帝国華撃団関係者編)も出来ました!

こちらもネタバレありのため注意!

 

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 ネタバレ配慮空白始まりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ配慮の空白ここまでです。

 ストーリーについて 

初代の遺伝子と新たな風

 サクラ大戦のシナリオは初代「サクラ大戦を強く意識した次世代のサクラ大戦」という印象が強いです。
 例えば、「海軍学校主席のエリート軍人が劇場に突然配属される」、「大帝国劇場にあった問題点を主人公が解決してゆく」、「中盤に帝劇がピンチになる局面がある」、「クリスマス回がデート回となっている」、「ラスボスは魔の強大な力を持っている」、「ミカサで突撃」など初代を踏襲したイベントが多数あります。

 

 こう書くと「サクラ大戦」の焼き直しか、と思われるかもしれません。重要なシナリオ上のイベントは半分ほどが初代と一致しているので仕方ないところかもしれませんが個人的にはキャラクターの微妙な違いが、サクラ大戦の雰囲気を損なわないまま新たな息吹を感じさせる絶妙な塩梅となっていてよくできたシナリオであると感じました。


 たとえば、主人公である神山誠十郎と伝説の隊長大神一郎の違いにその絶妙さを感じます。一言でいえば、大神さんが「引っ張ってゆくリーダー」なのに対し、神山君は「共に傷つき共に成長するリーダー」という印象です。
 隊員に冷たく隊長失格と言われてもめげることなく隊員をよくみて、ピンチの時は颯爽と助けに入り強いリーダーシップで帝都と巴里を率いた大神さんに対して、神山くんはより人間くさくあざみのピンチで一緒につかまったり、さくらを連れ戻せず初穂に殴られたりというシーンが描かれています。

 それでもきちんと隊員の心に寄り添い一緒に問題を乗り越えてゆく。要素だけで見れば似た設定の二人ですが、キャラクターの違いが良く表現されていると思います。


 この二人のように、過去と現代が対比されて物語が描かれている点は、シリーズファンとしては非常に興味深くてとても良いと感じました。

見る立場で深みと意味合いが変わるストーリー

 さらに良いと感じたのが、プレイヤーの性質によって見え方が変わるシナリオです。
 帝国華撃団の栄華を知っているプレイヤーにとって、上記の「変わっていない部分」と「変わってしまった部分」が強く印象に残ります。かつての栄華が去った大帝国劇場に寂しさを覚えながら、きちんと再現された3Dマップ*1に懐かしさをおぼえたり……。感情移入する方向も神山くんよりはすみれさんになるだろうし、ストーリー的にも「夜叉と真宮寺さくら」に大きな注目が集まるところだと思います。

 これに対して、今作がサクラ大戦初プレイの方は、ぐっと「神山誠十郎の立場」によるはずです。(噂にはきくもののよくは知らない)大帝国劇場に赴任して、花組のみんなとピンチを切り抜けてゆく。過去作の要素が絡んでいるといってもモブに「昔は良かった」と言われるほかは、すみれさんから語られる「かつての栄華の残り香」と夜叉の正体くらいで、過去の事情を知らなくても「サクラ大戦」としてきちんと成立しているんですよね。

 

 知らなくても全然王道ストーリーとして成立する、過去を知れば知るほど深みが増すストーリーといえ非常に上手い構成だなぁと思いました。

世界華撃団大戦について

 プレジデントG怪しっ!というのはいいとして、本作の目玉であり過去のサクラ大戦に無い要素である世界華撃団大戦については、とても良い感じだと思いました。


 各国に華撃団が少しずつ設立されていったというのは納得*2できますし、メタ的に言えば存在があることでメディアミックスの幅が広がりシリーズに貢献する根だと思えるからです。

 

 また、この世界華撃団大戦というのが「対外的でありかつ分かりやすい目標」であるのがいいですね。降魔大戦によって華撃団が認知され、防衛能力を研鑽するための競技会が行なわれるようになったというのも特に違和感がないいい設定だと思います。

 世界華撃団大戦があるおかげで、武力としての帝国華撃団の問題の解決を描きやすいですし、何より「宣伝効果が莫大で劇場への客足が戻り評判を取り戻す」ということがすんなり理解できるのでわかりやすくダイナミックな画作りができていたと思います。

冒頭の上海華撃団

 ただし、冒頭部分の上海華撃団の行動原理については少しどうかな、と思います。冒頭部でさくらをシャオロンがボコにする展開が、どうしても描写不足で後の二人につながりにくいんです。 

 後の話では上海華撃団の二人の性格は全然悪くないどころか、良いキャラクターをしています。それなのに冒頭部では降魔が出ているにもかかわらず、一目散にさくらに攻撃。この段階ではプレジデントGも別に糸を引いているわけでもないですし、華撃団大戦はオリンピック的なものとして周知されており他華撃団を潰す意図がわかりません。

 

 この段階でシナリオ的に「さくらが上海を超えるガッツを出して神山くんが目覚める」という必要があるのは分かりますが、もう少し描写が欲しかったところです。


 たとえば、シャオロンは「弱さを嫌う」という説明書きがあるので、「かつて弱さによって救えなかった日常なりがあった→だから強くなった→それなのに帝国華撃団は市民に被害が出るほど不甲斐ない→弱いやつは守れないどころか被害を大きくする→出てくるな!」というような文脈があればシャオロンの行動もすんなりいきます。この点は惜しいかなと思いましたね。

 4月のアニメでは納得できるシーンが追加されていたらいいなぁと思います。

 

天宮さくらと真宮寺さくら

 新サクラ大戦の物語の骨組みのひとつは、天宮さくらの成長譚だと思います。ここも素晴らしい部分だと感じます。
 はじめは命を救われたのをきっかけに真宮寺さくらや華撃団に憧れた夢見る少女。夢をつかんだとはいえ、帝国華撃団は予算も評判もない状況。神山くんと再会しなんとか帝劇を守って、少しずつ成長していったさくら(天)の前に立ちはだかる夜叉。思い悩みふさぎ込んで、周りと衝突もし、立ち向かうことを決意して、最後は夜叉を超える。

 実に王道で丁寧な成長譚です。真宮寺さくらの大きさも強く意識することができるし、なによりも「サクラ大戦を超えるのだ」という新サクラ大戦という作品によくマッチしています。素晴らしい。

 この部分だけでも新サクラ大戦をプレイするに値する物語だと思います。

 

歴代キャラクターの使いどころと意外な正体

 今作には、いわゆる大神さん時代のキャラクターが厳密に言うとすみれさんくらいしか登場していません。(真宮寺)さくらさんは基本的にさくら(天)のイメージで登場するのみです。*3ブロマイド収集で過去作のキャラをよく見るので意外なところです。
 

 最初、二都作戦の話が出たときに、過去の花組達との共闘があるかと予想していたのですが、その予想は外れました。また、終盤月組の存在が仄めかされたときも「おぉ、これは加山くるか、くるか!」と熱くなったのですが、その予想も外れました。恥ずかしながら、いつきちゃんとひろみさんは完全に頭から抜けていたので滅茶苦茶驚きました。そうか、スター芸能人もじり*4だから月組だよなぁと後から気付いて爆笑。

 だから……というわけでもない*5のですがちょっと肩透かしを食らったような感じでした。

 でも、よく考えたら、横山智佐さんが夜叉をやるというので大きな話題となり*6ネタが振られているのに、過去の作品のキャラクターが大量に登場したら話がとっ散らかってしまうのは明白で、続編作品に付きまとう「過去主人公たちの扱い」に関してはかなり配慮が行き届いていて素晴らしいと思い直しました。
 それでもやっぱりマリアさんとかの今が気になるので、続編(できれば本編作品中)で登場してほしいなーと思います。

 

幻庵葬徹について

 プレジデントGは仮の姿、本作のラスボス、幻庵葬徹。
 強大な力をもって幻都を復活させ、降魔皇を呼び出さんとする、とサクラ大戦のラスボスらしいキャラクターといえばそうなのですが、あんまり印象に残りませんでした。
 プレジデントG時代は、「あぁ~こいつラスボスっぽすぎて逆にラスボスじゃないかも」みたいな最高の胡散臭さをもっていて、さらにアナスタシアを傀儡にしてたり伯林華撃団を洗脳したり大活躍なんですが、デカくなってからの印象が薄いんです。

 これは、私のプレイスタイルが問題なのかもしれません。というのは初ルートがアナスタシアルートであり、幻庵葬徹は(というより今作の敵はすべて)近距離攻撃に強く遠距離攻撃にめっぽう弱いので、アナスタシアが恨みを晴らすかの如く大活躍した結果、登場まもなく散っていってしまったのです。
 

 また、幻庵葬徹のセリフが「降魔皇サマが~」と取り巻きくさいのも、印象に残りづらさに拍車をかけているような気がします。絶対に幻庵葬徹の後に降魔皇戦あるな、と身構えていたら勝利してしまって少し呆気にとられてしまいました。

 この点は少し残念に思います。急速に片がついてしまった感を少し感じてしまうので……。*7もう少し悪逆非道で強大な感じだったら良かったのになと思います*8

 

次回作につながりそうな要素について

 今回一週目を終えて、次回作につながりそうな要素といえば、

・朧の最後のシーンでとどめを刺した人物がオムライス魔人白秋さんに見えた*9
・隊員私室の空き部屋。三部屋あいているので追加メンバーあるのか。
・神山くんの部屋はかつて副指令私室であり大神さんの部屋が空き部屋となっている。→大神さんの復活か、保存されているのかなど。

・隠し扉からつながる三種の神器を守ってた祠はまだあるのか

 くらいでしょうか。*10

 特に白秋さんの大きな謎は気になるところです。未消化伏線をすこしだけ残しているあたりは続編を作っていく意図ありとお見受けします。いやぁホントに続編出て欲しいです!とくに今作でいなかった薔薇組を彼らだって帝劇の仲間なんだァァ!!

 

システム面・アクション面について

 シナリオの次は、システム面やバトルパートの感想です。

バトルパートについて

 戦闘における操作感については、カメラ操作系以外はあんまり操作しずらいというようなことはありませんでした。〇ボタンと△ボタンでできる直感的な操作感は初めてでも操作しやすくていいと思います。ただ、「庇う」「作戦によって機体特性を変えられるシステム」などの過去作にあったシステムがあっても良いかもなと若干思ったかな。

 

 カメラ操作は、そこまで操作しづらいいうほどでもありませんが、ロックオン系のカメラ補正が欲しいと思いました。射撃系のユニット、特にクラリスの魔導攻撃で顕著な機体の向いている方向とカメラの向きがずれているために見当違いな方向に攻撃が飛ぶ現象は少しフラストレーションが溜まりました。といっても、射撃系ユニットは方向さえ合っていれば基本的に照準自動補正といった感じで攻撃がヒットするので全く攻撃できないというわけはありませんが。

 

 カメラ操作に関してはアドベンチャーパートでも少し気になる点があり、大帝国劇場など主観カメラが使えるマップとそうでないマップが分かれており、やや気になりました。大帝国劇場の全方向対応のカメラとまでは言わないのである程度別のマップでも視点移動ができるとよかったと思います。

 

マップと難易度について

 バトルパートにおいてマップが「メカニカル・降魔風・競技場・変質した競技場(緊急出動においては帝劇前)」と種類がある、ステージギミックとして(蛇・ダメージ床・アスレチック)があるというのは工夫を感じられてよいと感じます。

 ただ、状況によっては敵の攻撃がハメ技や場外から復帰したときのリスポーンキルになることがあったので、そこは少し残念に感じます。

 また、アスレチックがあるのは良いのですが距離感がシビアで戦闘よりもアスレチックのやり直しをしているほうが長いという事態になったのでそのあたりが練られていたらよりよかったと感じます。

 

 また、幻庵葬徹の項目で少し触れましたが、各ユニットに性能差があります。個人的に射撃ユニット、特にアナスタシアが強すぎるように感じます。遠距離射撃でラスボスを完封に近い形で勝利(同時に戦ってる神山機は結構ダメージを食らっていました)できてしまうのは難易度デザイン的に少し問題かと思いました。

 

欲しい要素について

 今作では今のところ確認できていないのですが、旧作には隊員ごとのミニゲーム・隊長の休日モード(ミニゲームのプレイ・作中のムービーやブロマイド、音楽鑑賞・クイズなどのオマケができたモード)が無いようです。
 このうち、ミニゲームは「世界こいこい大戦」が実装されていますし、ブロマイドの確認と過去のあらすじはスマァトロンで確認できますが、過去シリーズで好きな要素だったので無いのは残念でした。
 

 また、本作はパートボイスでありフルボイスではありません。

 隊長がしゃべるようになった*11のは良いと思います。サクラ大戦は「隊長ゲー*12」と言われるほど隊長の個性が重要な作品なので個人的には「プレイヤー=隊長」というより「プレイヤーは隊長の心の中でそそのかすヤツ」くらいの感覚でプレイしているのでボイスが付くことは素晴らしいと思います。

 ただ、3Dモデルの演技がやや大きい(これはもちろん大きく動かさないと画にならないからでしょうが、ちょっとオーバーに感じる面もあります)ことも相まって、パートボイスが浮いてしまいます。次回作ではぜひともフルボイスであってほしいなと思います。

 また、クイックセーブ・ロードがあると選択肢を味わう際に助かるので欲しいです。もっとも、好感度のためのリセット防止のためにクリア後特典などの制約付きがいいと思いますが。

 

まとめ

以上が新サクラ大戦のシナリオ及びシステム面のネタバレあり感想です。

一言でまとめると、やはり「粗削りな部分もあれど、令和に新サクラ大戦堂々復活!」ですね。いろんな意見があるとは思いますが個人的にはフルプライスで限定版を買って本当に良かったと思える名作・良作だと思います。

 

 本当はこの記事でキャラクターについてと、機体デザインについて、楽曲についての感想も書きたかったのですが、文字カウンタが7000文字*13に到達する勢い*14なので、どれだけ語り足りねーんだという感じですが。

 キャラクター・機体デザイン・楽曲についてのネタバレ感想は次回に回したいと思います。

 

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 それでは、またよろしくお願いいたします。

*1:全然リアルで行った事も無いはずなのに、ホントに懐かしいんですよ。あぁ、そうだった、食堂があって地下に指令室があって……とノスタルジーに浸りっぱなしでした。

*2:降魔大戦でどの程度損害を受けたのかはいまいちわかっていないのですが、その前に帝都・巴里・紐育に華撃団があったことを考えれば他の都市にあってもおかしくないですよね。

*3:夜叉がテーマソングを持っているのとメイン敵として存在が大きいので意外ですが、ブロマイドやポスターを除くと出ていない、ハズ。

*4:隠密部隊月組の隊長であった加山雄一は加山雄三のもじり。西城いつきは「ヒデキ、感激」で西城秀樹、本郷ひろみは「じゃぱ~ん!」で郷ひろみそれぞれのもじりですね。帝劇宣伝部通信のときに仄めかされたとき、加山もそうだったしサブキャラはそーなんだなーと流した自分の間抜けさったらないよwww

*5:どちらかというとたぶんgoogleアシスタントの記事収集かなんかで「最終章のEDは過去の華撃団も合わせたもの」という嘘ネタバレをチラ見してしまっていたので、というほうが大きい感じでした。今作についてはネタバレ嫌だったので見たとき心底ショックでしたね~。しかもハードル上がっちゃったし。

*6:Twitterでトレンド入りするほど話題になった

*7:まぁおそらくさくら・初穂・あざみルートで苦戦して印象変わるんでしょうが。

*8:まぁプレジデントGが最初夜叉の攻撃の時ビビっていたりとTHE小物なので「奴は上級降魔の中でも最弱……。」ということなのかもしれませんが。

*9:1週目かつちょっと日が経ってるので怪しいですがたぶん白秋さんだったような気がする。

*10:後ろ三つは我ながらこじつけっぽいですね。

*11:大神隊長や新次郎はムービーでは喋るものの、アドベンチャーパートでは喋りませんでした。

*12:「13股してスケベ目してさらにハーレムエンドしたりするのにプレイヤーの心まで射止めた隊長がいるらしい。」というネタ。大神隊長はギャルゲー要素のある作品なのになぜかプレイヤーからも好感度が高い。なお、隊長を退いたVにおいて不満が出るなどその人気はすさまじく、「大神一郎という存在」はサクラ大戦を支える大看板でありながら同時に呪縛でもある。

*13:ちなみにうちのブログの記事はたいていの場合3000字~4500字くらいで収まってます。

*14:あ、突破した。