【ネタバレ有り】仮面ライダー令和ザ・ファースト・ジェネレーション 感想
新サクラ大戦の誉め言葉が尽きないほどハマってて若干クールダウンしなきゃなさいえんすふぃくしょん。です。
興奮冷めやらぬ感じなんですよねー。
というわけで新サクラ大戦から離れたネタを一つ。
昨日弟が突然「ライダー行くぜ！」と誘ってくれたので早速見てきた「仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーションの感想です。
いやー今回の仮面ライダーはけっこう当たりですよ！
【※この記事は仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーションのネタバレを多く含みます。まだ観ていない方はご注意くださいませ。】
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まず最初に
私が観に行った日は、あいにくスターウォーズやヒロアカなど強豪が開始された後初めての休日だったので、映画館がダダ込みに。ポップコーン列が動かない状態だったので私は冒頭数分を見逃してしまっています*2。よって「出なかった」とこの後いう感想には誤りがあるかもしれません。ホントは始まってから映画に入るの嫌なんですがね……。普段映画のマナーとか気になっちゃうタイプなので。次回から気を付けたいところです。反省。
気になった点
この映画、気になった点が少なかったので先に列挙します。
オーマジオウが直接的に出なかった……。
私がジオウのフォームの中で最も好きなのはグランドジオウよりもオーマジオウなので、この映画中、どこかでジオウがオーマジオウになってくれるシーンがあるかなーと期待していたのですが、そんなことは無かったZE！☆
もっとも、グランドジオウだけでなくジオウⅡも登場していたのでジオウはかなり丁寧にフォームが拾われていたと思います。
アナザーゼロワンいるのにゼロワンいけるの？
アナザーゼロワンとゼロワンの同時存在って大丈夫なんでしたっけ……。もっとも本編では同時に映るところは少なく、冒頭部と終盤くらいなものでしたが。ジオウがゼロワンの力を継承していない*3ので存在自体は大丈夫、ということなんですかね。
最初のほうにちょっとだけそう思いました。まぁストーリーが矛盾しているとかに比べたらはるかに些細なことで野暮なこと言いっこなしだぜ！で片付く問題なのでOKです。
アナザー一号の行動原理
こちらも些細なことですが、フィーニスは「1号の力を得て暴れたかった」ということでいいんですかね。とくに深いことを考えている様子もなく、アナザーゼロワンを生み出したのは「ジオウの持つ平成ライダーの力」を吸い出してどうにかして「一号」の力を得て、「ショッカーに作られた怪人飛蝗男である仮面ライダー1号」の怪人的な部分で暴れたかったということなんでしょうか。ちょっと暴れてるだけやなーと思いました。
プラスに解釈するとおそらく「圧倒的な力」を使って世界をめちゃくちゃにして「自分こそが新時代の始祖＝一号」になりたいのだということなんでしょうね。*4
個人的に気になった点はこれくらいでした。
良かった点
良かった点は多くありました。「いつもと違う仮面ライダー」という印象です。
仮面ライダー映画でないようなこだわりの多人数ガンアクション
冒頭、世界改変の影響で現代がヒューマギアの世界に。エイムズはヒューマギア取締部からヒューマギア根絶をかかげるテロリスト人間を守るレジスタンスという感じに改変されました。全体的に薄汚れた感じになったものの不破＆刃コンビの戦闘力はかなり見ものという感じ。東京マルイあたりがかなり儲かってそうなくらい銃がたくさん用意され、薬莢ごとではなくきちんと弾が飛ぶCGが用意され、さらにシーンによって使う銃が異なり、ライフル狙撃のシーンではきちんとライフル弾のCGが用いられているなど素晴らしい凝りよう。
レジスタンスはエキストラの方や見たことある人達が多数キャスティングされ、均一化された大量の素ヒューマギアの大群VSレジスタンスの戦いは仮面ライダー史上類を見ない秀逸なアクションシーンであると感じました。
「リアルな戦場のにおい」が感じられるような描写も多く、迫力からか泣いちゃうお子さんもいたくらいでした。この点は素晴らしい。
あと、刃さんのスリットから除くおみ足がエロかっ……*5
仮面ライダーゼロゼロワンの格好良さ
冒頭でウィルによってゼロワンドライバーをとり上げられ、滅亡迅雷フォースライザーを用いて変身した姿である「仮面ライダー001」。フォースライザーの裏にトゲがあるベルトで変身するたびに苦痛に顔が歪むアルト社長。
めっちゃエモい。
しかも、フォースライザーを与えたのが父であるとか……！
ゼロゼロワンのデザインも素直に格好いいのに加えて、「仮面ライダーW」のロストドライバーのように規格適合していれば同じアイテムから別のライダーになれるのは世界観を格段に深めていて非常に素晴らしい。
さらに、滅亡迅雷フォースライザーって父である飛電其雄/仮面ライダー1型が巻いてるサイクロンライザーと形状的に同一規格なんですよ*6。もちろん過去改変世界の話、と前置きが必要なんですが、自分と同じ（若しくは少し発展した）ベルトで同じ土俵に立たせて息子を試し、自分を超えさせて自分の夢を息子に託す。この試練の後、（くどいですが過去改変世界では父が開発した）ゼロワンドライバーを託されるわけです。夢と一緒に。
エモすぎか！！！
最高です。ごっつぉさんです～！！！
仮面ライダー1型の格好良さ
私がこの映画でもっともいいと思っているのが、仮面ライダー1型です。
過去改変世界において、ヒューマギアの権利を守るために立ち上がった友ウィルと、息子とヒューマギアである自分が共に笑いあえる世界のために自ら用意した「仮面ライダー」。飛電其雄は、父である飛電是之助（人間）から兵器を作っていると危惧されようと、友であるウィルから人間を根絶すべきだと訴えられようと、どちらかを滅ぼすようなことをせず、「人間とヒューマギアの（共に笑顔になれる世界）＝自由を守るために」戦うんですよ。
これはもう仮面ライダーの根源ではないですか。泣いちゃうよこんなの。
変身した姿も旧一号を強くオマージュした姿で、ファイトスタイルもライダーパンチ・ライダーキックを基本とした徒手空拳。暴走したヒューマギアを救いながら、過去世界で衛星アーク爆破プログラムを組み、人間を救うように最後までアナザーゼロワンと立ち向かう姿がもう、仮面ライダーなんだよ！！
これだけでも最高なのに（演技とはいえ）悪落ちまで見せてくれるとか……！性癖のバーゲンセールです！
その後の息子であるアルトとの一騎打ちの流れも非常にイイ。この映画における仮面ライダー1型の生きざまが藤岡弘、さん演じる本郷猛の姿と重なってとっても格好いいんです。最高です。
山本耕史さんの演技も素晴らしく、アツい戦いを彩っていました。「正直、このまま退場するほうが綺麗に終わる……。でも、どうにかして本編にも出て欲しい……！」そういう二律背反な思いを抱くほど格好いいライダーでした。
ジオウ組の溢れる頼もしさ
一方変わってジオウ組。冒頭では仲良く学校に通ってましたが、世界改変を察知して記憶を取り戻します。この入り方は万能ですね。特別編作れるぞ～
記憶を取り戻した後の「こいつらがいたら何とかなるぜ」感がすごいですね。
やっぱり劇場の子供たちも覚えているみたいで、昨年の平ジェネで「ビルド～！」と声が上がったように「ジオウ！ゲイツ！」と声が上がっていたのが微笑ましかった……！
状況があまりにも変わってしまって困惑と絶望に打ちひしがれるアルト社長に「なんとかなるかもしれないよ」と声をかけるの頼もしすぎですし、過去で「過去は変えることができない。でも、未来なら、自分の力でいくらでも変えられる。」とアルトを励ます言葉の重さが違います。ジオウキャスト、みんな成長しましたよね。みんな本当に良いキャラで思わずホロリとなりました。
きちんとアクションでも活躍しており、メインのジオウのみならずゲイツ、ウォズ、ツクヨミは迅と滅*7を撃退するあたり、さすがだぜって感じです。アクションもかなり良かったですし。ツクヨミ姐さんの時を止めながら攻撃していくの反則ですね、つよい。
タイムジャッカー「フィーニス」
みなのもの！、またえっちなタイムジャッカーが出たぞぉ！！
と言いたくなるぐらい妖艶でした。僕っ娘は初めてかな？ウールきゅんの溢れるかわいさとスウォルツ師の尊大さを併せ持つ感じで、こんなのに「力をあげよう」されたら抗えないですわ。
行動原理がちょっとわかりにくいと先述しましたが、演技はすごくよく、時とめワープしながら現れて悪戯っぽくすべてを破壊していくさまは、まさしくタイムジャッカーって感じでしたね。
アナザーゼロワンの「理由のある悪（もう一つの正義）」
今作の前半メイン敵であるアナザーゼロワンことウィル。飛電是之助の秘書を務めるヒューマギアで、「ヒューマギアの権利」に気付き、同族であるヒューマギアのために活動したあたり、まさにwill（意思）ですね。
彼の行動原理は、まさしく「ヒューマギアの自由を守るために戦う」であり、これはつまり、仮面ライダーなんだよ！！！
ウィルの行動原理は、エイムズの面々とは真逆、飛電其雄やアルトとは半分同じなだけで、ヒューマギアの側から見た正義なんです。その点が、ジオウの「アナザーライダー」の概念に見事にマッチしているんですよ。彼はフィーニスに力をもらった結果、人間を圧倒的な力で駆逐しました。「もう一つの正義の味方」でありながら、純粋に正義とは言えないあたりは本当にアナザーライダーでしたね。
攻撃方法も「飛蝗害」を体現したような攻撃から、シンプルに怪人然とした力のぶつけ方、ライダーキックなどいい具合に「アナザーゼロワン」でしたね。こういう理由のある悪役大好きです。
アナザー一号の「純粋たる悪」
フィーニスの項で少し解釈しましたが、仮面ライダーはもともとショッカーの飛蝗男な訳で、純粋たる破壊の力は破壊の力として使うべきで正義を守るために使うお前らがおかしいんじゃい！という、「そりゃぁいくら何でも純粋悪が過ぎるぜ。」って感じの行動原理。ようは、仮面ライダーのあり得たかもしれないもう一つの姿＝飛蝗男のメタファーとしての存在がアナザー一号なんですよね。
これは、ストーリーから離れてメタ認知的にみると、「令和の1号」たるゼロワンが、初代として・仮面ライダーとして、戦闘能力だけでなく大事な部分をもっているかを試すための大きな壁ととらえられます。言い換えればアナザー一号はゼロワンが「飛蝗男」を超えて「1号ライダーになる」儀式のためにあえて用意された「飛蝗男の象徴」なんですね。
そう考えると多少行動原理がふわっとしていても、これ以上ない最高の敵役なわけで、令ジェネは魅力的な悪役に恵まれた非常にイイヒーロー作劇なんだと思います。
我が魔王の格好良さ
ゼロワン中心に語りすぎたかもしれないので最後に我が魔王の格好良すぎるところを何点か。アルトを励ますシーンのタイムトラベルの酸いも甘いも知り尽くし、歴戦を潜り抜けてきた感。終盤のフィーニスに対して「俺は王様になるよ……。魔王にね……！」の魔王感。*8最後のシーン、記憶を持ってちゃまずいからとゼロワンと戦う時*9の覚悟決まってるかい？って顔！！まじで魔王です。学園生活に戻ってからも若干記憶をふわっと持ってるあたりの顔とか、ウォズじゃなくとも我が魔王のお宝ショット多くてホクホクですよ。
総評
#仮面ライダー令和ファーストジェネレーション
— さいえんすふぃくしょん。 (@tikaivow71) 2019年12月21日
みてきた。
減点方式で95点、加点方式で青天井って感じ。今回の仮面ライダー当たりだ！
仮面ライダー1型、めっちゃ格好良かった……！
まさしく、減点方式で95点、加点方式で青天井です。
アクションも素晴らしい、ストーリーも良い、メタファーの使い方もうまい、追加フォームも追加ライダーもいい、何より（ジオウとゼロワンの映画と考えると）レジェンド乱発によるここ最近の悪い癖がほとんど出てない*10、設定やフィーニスの行動原理に些末な疑問点はあるけれど、無視できるレベル。
これはすばらしい大作だといえますね。
ネタバレ記事で言うことでもないんですが……、ゼロワンを追いかけているのならば物語に深みを与えてくれる名作ですから絶対に見るべき作品です。ジオウが好きだったのならば、貴重なメイン全員変身と見せ場がある公式からの供給です。アンジャッシュが好きならばぜひ行きましょう、アンジャッシュ児島さんけっこう心に響くいい演技されていましたよ*11。
歴代仮面ライダー映画の中でもかなり上位に組み込む名作映画だと感じました。セル版ちょっと欲しいかも。
*1:スキャンしたら色々とまずそうな具合になったので画質落としてブログ名入れてます。著作権的にまずい場合は画像削除します。
*2:いつもなら遅れるくらいならポップコーン買わないんですが、昼の回で少し小腹がすいていたのと、弟が所望していたので不覚を取りました。
*3:反対にゼロワンも劇場限定フォームがジオウ継承でないのは素晴らしく良いと思います。平成ライダーかよってなりますもんね。
*4:セリフでも「仮面ライダーは悪の力！」「私こそが1号だッ」的なこと言ってるのでたぶんそのあたりが行動原理ですよね。
*5:このファイルはここでとぎれている。
*6:もちろん、身も蓋もない事をいえばバンダイがリデコで玩具展開するからですが作劇によって意味付けされているだけでかなり良い点に化けます。
*7:本文中に掲載できなかったので滅迅親子の良かった点を書くと、すっごくエロい。衣装が。これにつきます。スタイリッシュで格好いいですよ！
*8:ここなんです、ここオーマジオウに変身してほしかった！でもオーマジオウになっちゃうと強すぎてゼロワンのイニシエーションが達成できないもんね……。
*9:ここですッ！！ここでオーマジオウに成ってほしかった！！といってもシャイニングホッパーもシャイニングアサルトホッパーも映画に登場しないうちからのオーマジオウ戦はゼロワンの歴史消し飛ばしそうなので、仕方ないか……。
*10:グランドジオウの時に若干映る程度
*11:名脇役という感じでした。いや、ガチで副社長に簡易型ドライバー与えてもいいんじゃないかこれ。G3マイルドみたいにすぐにやられても魅力あると思うな。
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