夢幻泡影な日々

内向的で偏屈でガノタな一般人、えすえふ。の生活や趣味や思うところを徒然なるままに書きとめる場所。

映画「マジンガーZ INFINITY」感想

 最近いろいろ忙しいのですが、ちょっとチャレンジひと段落して結果待ちなさいえんすふぃくしょん。です。ちょっと精神的に疲れてる(´・ω・`)。
 

 今回は、永井豪先生がフランスでシュバリエの称号を授かったというおめでたいニュースがありましたので、前々から気になっていたマジンガーZ infinityをレンタルして観てみました。ネタバレありの感想ですので未見の方はご注意くださいませ。

www.sankei.com

 

 マジンガーZムーブメントが起きて欲しい

 今回はちょっと枕でマジンガーZに関する自分語りお話をば。

 マジンガーZといえば、名実ともにロボットアニメの金字塔です。*1
 空にそびえる鉄の城。誰もが思い描くことのできる日本の代表的なロボット。
 そんなマジンガーZですが、私はガンダム大好きだった偏狭なオタクだったので、当初あまり好きではありませんでした。いわゆる「昔のアニメ」感に対して偏見があったんですね。リアルロボット至上主義というか、過去の存在としてみていて、相対的にガンダムを持ち上げようとしてたんだと思います。
 そんな偏見も、「スーパーロボット大戦」に触れていろんなロボットアニメに興味を持つようになり、ロボットアニメ沼に沈んでゆくにつれどんどんと薄れていきました。スーパーロボットとリアルロボットの区別なんてナンセンスだな、と気づくまで時間がかかりましたが、圧倒的強者として君臨するマジンガーって本当に格好いいと気づけて良かったです。結局は食わず嫌いなだけだったんだな、と。
 マジンガーZの世界は、かなり奥深いんですよね。マジンガーZTVシリーズ)とマジンカイザー系は登場人物が同じでも全く違うストーリーを描きますし、コミックに手を伸ばせばさらに奥深い沼が待っています。
 今回の映画を観終わり強く感じたのは、「マジンガー(というかダイナミックプロ作品)がもっと日本で人気になっていても良いのになぁ」ということでした。そう思えて仕方ないほどに今作は名作だと感じます。

 

ストーリー面で素晴らしいと思うところ

 今作は、「マジンガーZ」と「グレートマジンガー」の続編として描かれています。
 ストーリーとしてはスパロボなどでおなじみの通りドクターヘルが相変わらず復活して大暴れをするいつもの流れですが、キーとなるミケーネの遺産インフィニティをヘルが使って人類ピンチに。かつての英雄、兜甲児は世界を救うため最後の出撃を決意する。といった感じのシンプルなストーリーとなっていて好感が持てます。
 ストーリーラインはシンプルながらも、マジンガーZが博物館で展示される過去のイコンになっている、グレートマジンガーが統合軍所属になり必殺技に承認が必要になる、光子力によって世界が復興を遂げ現在は光子力の研究が世界の関心ごととなっているなど細部の設定が作りこまれているため、ストーリーの薄さを感じることはありません。
 ドクターヘルの復活関係については詳しく言及されませんが、彼らはもはやロックマンのワイリー並みにしぶとく復活するため特に違和感は感じませんでした。世界線でもしょっちゅう復活するし。

 

アラサーになったお馴染みのメンツたち 

 今回、見ていて正直感極まってしまったのは、甲児くんやさやかさん、ボスといったおなじみのメンツがきちんと成長していることが丁寧に描写されている点です。
 私はマジンガーZ世代ではないですし、そこまで昔から思い入れがあったわけでもなく、スパロボマジンカイザー、漫画などの多媒体で彼らに触れたにすぎませんが、この映画で成長した彼らを見て少し感極まってしまいました。
 とくに、ぼすらーめんでボスが女の子にタコさんウインナーをオマケするシーン。ボスはどの媒体でもみんなから愛されるキャラですが、ボスが愛される理由が詰まった良いシーンだなと思います。というかボスが良い大人すぎてちょっと泣いちゃったり。
 腐れ縁で、親友で、気のいいガキ大将。ボス最高か……!
 ほかにも、研究者として大成した甲児や、研究所所長として政治的にも苦労の絶えなくなったさやかさん、相変わらず戦闘のプロのままなのにジュンさんと関係が進展している鉄也さんと、知らぬ間に大きくなって統合軍の期待の星になってるシロー。
 彼らの成長した姿をみていると、なぜだか同窓会のような気分に包まれて本当に素晴らしいなと思いました。

リサについて

  今作からの登場人物としてインフィニティの起動キーの擬人化AI、リサが登場します。

 正直、最初はあざとすぎるなぁ~と感じていました。なんだかキャラクターデザインがマジンガーZのキャラクターというよりも最近のロボットアニメのヒロインみたいですし、ご主人様!と呼びかけてくるあたりがかなり萌えを押し出している感じがして。
 ですが、最後まで観てみると、そんな違和感なんて気にならなくなるほどいいキャラクターだなぁと。永井豪先生から甲児たちへのおくりものだったのかなぁと思うと本当になんだか感慨深いものがあります。

 それによく考えてみたら、女性キャラが魅力的なのは永井豪先生節全開!という感じですしね!*2

 

あしゅら男爵とブロッケン伯爵について

 尺の都合かなぁ……。

 でも活き活き動き回ってたし、おおむねいつも通り愛される敵幹部って感じでしょうか。あしゅら、宮迫さんなんですね。意外でした。ブロッケン伯爵は相変わらず愛されてるなぁ。

 この二人がまとめてやられてしまうのは少々あっけなく感じましたが、それでも見せ場はありましたし、あまりこの二人のパートが長引いても仕方ないところですので、良い落としどころだったのではないでしょうか。

 

バトルシーンについて

 今作はバトルシーンがCGによって描かれています。ここは好き嫌いが分かれる所でしょう。どうしても「ロボットアニメは手書きに限る!」と主張してしまいたくなりますから。マジンガーZも今風のディテールマシマシの情報量が高いマシンとしてモデリングされています。
 私は以前語った通り、「ディテールの追加については肯定ですが、あまりにも追加しすぎてしまうと逆にリアリティを損なってしまうのでは」という考えです。aussergewohnlich.hatenablog.com

 

 ですので、最初は今作のマジンガーZはディテール過剰気味かなと思いました。
 ですが、手に取ってみると意外に格好いいんだなぁ。これが。

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バンダイHG マジンガーZ(infinity版)

 プラモデルを組んだから贔屓目に、というのもありますが、今回のマジンガーZはきちんと「重厚感」にこだわりを持って動かされているのでCG化したときの違和感というのはかなり少なくなっていると思います。
 何より、マジンガーZとしてはマイナーな冷凍光線まで網羅した必殺技のオンパレードで、見ていて充分満足できるクオリティであるといえます。*3
 今作では、マジンガーZが強いこと強いこと!
 マジンガーZコミュニティでよくある議論に、「Zは最強。異論は認めん。」というのがありますが、今回のZは本当に強い。「マジンガーZの映画」として恥じないマジンガーZの勇姿が見られます。*4

 ドクターヘルも、マジンガーZに負けず劣らず強いですし、バトルシーンだけ見たとしてもなかなかクオリティが高いのではないでしょうか。

 

HG マジンガーZ(マジンガーZ INFINITY Ver.) 1/144スケール 色分け済みプラモデル

HG マジンガーZ(マジンガーZ INFINITY Ver.) 1/144スケール 色分け済みプラモデル

 

 

 

 

ちょっと気になった点

 この映画で気になる点として二点だけ。
 一つは些末なのですが、タイアップである日産の推しが強いこと。
 これは企業タイアップである以上、文句を言うべきところではないとは分かっているのですが、これ見よがしに日産車のアップがあったり、「自動運転でやっちゃえ日産」と言いたいんだろうなぁというようなシーンがちらほら。宣伝である以上仕方ないのですが、ちょっと推しが強くて萎えちゃったかな。
 もう一つは、根底として「グレンダイザー*5どうした」という点。こちらはあくまでもマジンガーZの映画であるから分けたというのは分かるんです。
 でも、少しでいいから大介さんとグレンダイザーが写ってほしかったかなと思います。こちらは製作側からも挙がった意見らしいので、次回に期待したいところですね。
 その二点以外には気になる点も特になく、実質最高の映画かなと思います。

まとめ

 マジンガーZの続編として100点満点の映画だと思います。これは上映当時劇場で見たかった!本当にスケジュール調整がうまくいかなかったのを後悔するクオリティです。ドリパスあたりで上映リクエストしてみようかな。
 今回はレンタルで見たのですが、セル版が欲しくなりました。
 ロボットアニメのメッカともいえる日本でもっとムーブメントが起きて欲しいと心から思いますね。
 少しでもマジンガーZに触れたことがある方は、ご覧になるのを強くおススメします。マジンガー系・ゲッターロボ系はバイオレンスアクション味が強く万人にお勧めできない作品もあるのですが、今作は万人にお勧めできる素晴らしいアニメ映画だと思います。

 

 

 

 

*1:元祖ロボットアニメというと鉄腕アトムだとか、特撮で見ると鉄人28号などいろいろとややこしくなりますが、ロボットアニメに与えた影響を考えるとマジンガーZこそ元祖ロボットアニメといって良いと思います。

*2:キューティーハニーけっこう仮面ハレンチ学園とかとか。みんな好きだもんね!

*3:ただし、マジンカイザーOVA版のようなセル画による素晴らしい書き込みを期待するとそこはがっかりするかもしれません。どちらも高クオリティで甲乙つける議論はナンセンスかな、とも思いますが。

*4:これにはZEROさんもにっこり。マジンガーZグレートマジンガーの論争はよく見かける所ですが、これに真正面から向き合った漫画版「真マジンガーZERO」もおすすめです。最強すぎるZを見たい方は是非。

*5:関係ないですが、グレンダイザーはフランスなどヨーロッパ圏で大人気なんですよね。最近Twitterにイタリアのパレードとしてグレンダイザーのクオリティが高いパレードが回ってきて羨ましく思いました。日本でもこれくらい盛り上がって欲しいんですけどねぇ。