夢幻泡影な日々

内向的で偏屈でガノタな一般人、えすえふ。の生活や趣味や思うところを徒然なるままに書きとめる場所。

ガンダムSEEDに向き合ってみる HDリマスター第一話第二話感想

皆様こんにちは、いろいろと忙しくてコンスタントに投稿できないさいえんすふぃくしょん。です。ありがちデスネ!

 

今回はガンダムSEEDに向き合ってみる第一回です。

 

aussergewohnlich.hatenablog.com

 

第一話と第二話を通しで見たので気になったところなどを書き綴っていこうと思います。

あくまでアニメで提示されているところのみを拾うスタンス*1で進行していきますのでよろしくお願いいたしますm(__)m

 

 

    • 第一話の良かったところ

       まず第一話で良いな、と思ったところは日常が壊される描写が丁寧であることです。

       キラ少年の暮らすヘリオポリスという中立コロニーの中ではそれぞれ民間人の生活があり、平和な日常が流れていることが冒頭の時間を使って描写されます。

       キラには電子工学の才能がある*2ということがきちんと描写されているのが良いですね。

       その日常が、ある日突然に壊れてしまうというところにリアリティを感じます。

       オーブ国は中立であり戦争に関与しない=戦争はよそ事という意識が、ヘリオポリスの住人には根強くあるのだという描写(冒頭のネットニュースをさも映画でも眺めるように見るキラとカズィなど)が細かい。

       このあたりが、なんとも今の日本(2000年代の日本)を見ているようで複雑な気持ちになりますね。

       次にいいと感じたところは、キャラクター・MSデザインの良さです。

       まぁ、キャラの服装はちょっと前衛的すぎるきらいもあります*3が、おおむねデザインは良好だと感じます。ナタルさん可愛いなぁ。マリューさんエロいなぁ……。もとい。MSのデザインも「ザクのリデザイン」が視覚的に分かりやすく格好いいジンや五機のガンダムたちのデザイン、非常に格好いいですね。

       一話ではあまりMSの動きはありませんが、炎の中たたずむストライクガンダムなどは結構印象に残るシーンでした。格好いい!*4

       

  • 第一話で気になったところ 

     第一話で見ていて気になったところは、ザフト兵の少年兵比率の高さですかね。五機のGを強奪するために少なくともアスランイザークディアッカ・ニコル・ミゲル・ラスティと6名も少年兵を抱えています(もっと多いかも。)。

     それぞれコーディネーターで技能に優れているというのは分かるのですが、少年兵をそこまで投入しなければならないほどザフトがひっ迫しているようには見えない*5ので違和感を感じました。

     それと、連合軍の舐めプというか、五機のGのテストパイロット等はどうしたんだと。なんで少年兵との白兵戦で負けてるんだと。そこは物語的に始まらないから仕様のないところではあるんですが、ちょっとツッコミたくなりました。

 

  • 第一話全体の感想 

     全体的にかなり初代ガンダムをオマージュしていますね。

     アバンタイトルで戦争の局面を説明→中立コロニーなのにいる連合軍→独立部隊によるコロニー襲撃→巻き込まれる主人公と初代ガンダム1話を丁寧になぞっています。
     ですが、ガンダム強奪が発生するところやキラとアスランの関係性など独自要素も盛り込んでいて、新たなるガンダムのスタンダードを作ろうとしたのだと伝わってくる一話でした。 ただ、先ほどよかったところで挙げた日常描写を組み込んだ関係上MS戦は二話に持ち越しになってしまったのは少々残念かもしれません。

 

  • 第二話の良かったところ

     次に第二話の良かったところですが、これはもうSEED初戦闘でありストライクガンダムのお披露目回であるところでしょう。

     X105が起動するも、襲い掛かるジン。機体の調整不良とラミアスの操縦でふらつくところをキラの即興プログラミングで持ち直し、敵を撃退!

     および、コロニーに突入してきたクルーゼ*6に対してランチャーパックを装備したストライクがどう立ち回るのか!?

     うん。非常にアツくていいですねぇ。やっぱりどの作品でも初戦闘シーンはアツいです。

     ここでも初代オマージュはしっかりされていて、たとえば「装甲は硬いが動きは素人だぜ!」であったり、「初戦果は機体に備え付けられていた格闘兵装」だったり。徹頭徹尾初代をリスペクトしているつくりなのだと思いました。

     あと、マリューさんのラッキースケベ*7とか明らかに魔乳を強調する描写があるんだよなぁ……。

  • 第二話の気になったところ

     ミゲルの口から「ナチュラルがMSなど!」と出ましたが、2足歩行メカの操縦及び火器管制能力って遺伝子操作でどうこうなるような話なんでしょうかね。 先天的に遺伝子を操作し特定の能力に秀でるような処理をした人類=コーディネーターですが……。でも宇宙世紀でも強化人間はいろんな処理によって操縦技術などを高めているし、この世界では問題のない事実なのだろうとは思います。ここに突っ込むのはちょいと野暮ですかね。
     あと、マリューさんがストライクのコクピットにいる間、もう少し撃たれた傷を気にしてくれればよりよかったかもしれません。撃たれる→何事もなくストライクへ→戦闘終了後突然負傷みたいに若干見えちゃったので。
     この点は好意的に解釈するなら、戦闘中のアドレナリン放出で気になっていなかったけど戦闘終了で糸が切れたように傷の痛みが襲ってきたという感じかな。
    不自然ではないかも。

  • 第二話全体の感想

     第二話は、ナタルの泣き顔かわいいぃぃぃが全てをもっていった第一話で描写されたヘリオポリス住民の平和ボケと戦争なんだよ四の五の言うなという戦時中の非情さの描写が良いですね。
     キラ達からすれば、「蚊帳の外の戦争」を持ち込まれた挙句正当防衛で動かした軍事機密を見たから拘束する!というマリューの論理は理不尽で信じがたいものなんですよね。
     でも、それは実際には平和ボケ以外の何物でもないという。
     オーブは外交政策できれいごとを言って中立を保ちつつ、その内実連合軍に場所を供与していた*8んですよね。
     オーブ内の駐留連合軍からすれば、機密を一般人(それも子供)が目撃・運用しているわけで、しかも現に敵国が同盟国(および自軍)に攻めてきている状況下なんですよね。軍隊の論理からすればマリューの言い分は至極もっとも(まぁ連合軍の正規士官がふがいなさ過ぎる気もしないでもありませんが)。

     その溝が描写されているというのは今後に不穏な空気を感じつつも丁寧な背景設定だなと思います。そして、このあたりは初代ガンダム「なんで軍艦に民間人(とりわけアムロたち)が避難するんだよ」というツッコミに対するちょっとした回答になっている。この点は丁寧なオマージュからもたらされた良い効果なのではないかと思います。*9

  •  全体を通して

     第一話と第二話は二つセットで第一話ととらえたほうがすんなりと行きやすいかもしれませんね。物語のスタートに関しては十分丁寧で素晴らしいのではないかなと思いました。
     また、ED導入演出はとても素晴らしいと思いますね。「あんなに一緒だったのに」のイントロが話の終わりをグッと引き締めていると感じました。
     全体的に、曲・デザインはよく感じます。現段階でストーリーもあまり文句はありません。
     このまま「SEEDに対するいつの間にかついた違和感」から脱することはできるのか、楽しみにしつつ今回はここまでにしたいと思います。

*1:具体的には、監督・脚本家の性格など個人的で物語に関係していない事情・設定資料を見なければわからないことなどについては目をつぶる方向で進めていきたいと思います。また、後に劇中で明かされる部分についても疑問点は疑問として書きます。

*2:ナチュラル・コーディネーターの話が後に出てきますがここでは割愛

*3:ベルトにチョーカーで学校行ってるキラとか、色々と前衛的ですな。

*4:このような構図は、後にUCでオマージュされてますね。というより、ガンダムに限らず炎の中のロボはやっぱり格好いい伝統のシチュエーションですね

*5:ザフトはMSで優勢であり攻勢側ですよね

*6:モビルシグー格好いいよぉ!でもできればクルーゼ専用ジンが欲しかったなとは思います。ミゲルに専用ジンがあるけどMSDどまりなんですよね。あんまり専用MSが出てこない気がします。

*7:戦闘の衝撃でマリューさんの胸に飛び込むキラとかちょっと笑いました。絶対意識して描写してるもんアレ。

*8:そしてたしか技術を流してもらっていたんだっけ?アストレイを通しで履修していないのでその辺あやふやですがヘリオポリスアストレイも同時期に開発してるんですよねオーブ

*9:実際には初代もワッケインの態度など「機密を運用したから拘束」というのは描写されているんですが、SEEDはこの点に関してより丁寧かなと思いました。